刷毛
毛の種類・違いについて
刷毛の材料
刷毛の材料は当初、きびの毛、麻、藁みご、棕梠の毛などの植物繊維で作られていました。その後、弾力性や耐久性、含みなどに優れている獣毛が注目され主流を占めるようになっていきます。
刷毛に利用される素材は動物の毛に限っても多種多様で、馬・羊・豚・猪・鹿など、細分すると数百種に及ぶといわれています。これらの原毛を組合せ混毛比などの工夫をしながら、用途に応じて良質で使いやすい刷毛がつくられます。
主な原毛の特長
馬 毛
振毛(タテガミ)
馬蹄毛(蹄の周囲)
天尾(尾毛)
山羊毛
ヤンオ(尾毛)
腰があり耐久性に富む。主に高級刷毛に使用。
ヤンス(アゴヒゲ)
ソフトで艶・弾力性があり、主に合成樹脂用等に使用。
白細(背中)
ニス用の主原料。毛先が細くしなやか。
上爪峰(蹄の上)
腰があり耐久性に優れる。
両切
バネが有り、主に鉄骨用などに使用。
花細(背中)
白細の色違い。
スペシャル(脇腹)
白毛製品に腰を与えるのに使用。
豚毛
豚 毛
馬毛より硬く弾力性があり、毛先が割れているので毛質の割に柔らかい。
化 繊p>
PBT
耐水・耐薬品性に優れ、反応硬化型水性用などの超高級化繊原料。
カネゴート
化繊の中でも軽量で耐水性に富み、どの化繊刷毛にも馴染む。
植 物p>
パキン
ヤシの根毛細の加工品。耐久性抜群、外壁用に使用。
最後に
優れた原毛の条件は、毛先が繊細でかつ弾力性に富み、色つやが良く、それぞれの動物の特質を備えていることなどですが、産地・年齢・環境・季節などにより微妙な変化があり、最良の条件で原毛を求めるのは容易ではありません。
ところが今日では世界的に原毛がだんだん減少の傾向にあります。マルテー大塚では、アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・オーストラリア・中国など世界各地で原毛の確保に努める一方、PBT・PP など化学繊維の採用や、その加工技術の研究開発など、新しい塗料に対応した素材の開発にも積極的な努力を続けています。